避けることができないものは、抱擁してしまわなければならない。
(シェークスピア)
これまでいちばん好きな季節は秋だった。
過去形なのは最近好みが変わったからだ。
春が好きになり、夏が好きになり
それ以上に冬が好きになったのだ。
現実問題としては冬は大変すぎる季節だ。
明けても暮れても除雪に追われる日々。
スキーという楽しみはあるけれど
そのこととトレードオフしても「赤字」かな。
氷点下20℃まで冷え込み
終日氷点下の日が続く冬という季節は
なにしろいさぎよいから好きだ。
きーんと冷えた凛とした大気に
むしろ命を吹き込まれる想いがする。
雪が降る夜の静けさはたとえようがない。
世界の終わりのように音という音が消える。
自分の呼吸する音で
かろうじて
自分の存在を確信できるばかりだ。
そのようにして
うつろうそれぞれの季節を
ひっしと抱きしめて
生きるぼくなのだ。